フェイント。冬へと逆戻り1

ぶおー!寒い!

遡ること10日前。私はシャレーのテラスで叔父家族、従兄弟とその友達と日光浴をしつつ食後のコーヒーを飲んでいた。

冬のシーズンも終わり活気を失った村は店やバーも次々とオフシーズン休暇へと入り、ヒッピーな仲間たちは仕事を求めほかの地方へ。
夜の街へと繰り出すこともなくなり前のような静かな生活が徐々に戻ってきた。

この退屈なシーズンを乗り切るために私は以前から友達に話していたある計画を実行に移すことにした。
それはシャレー地下室を音楽室に改造する計画。
手始めに大きめのスピーカーをAMAZONで注文。商品到着予定日は10日後の水曜日。

スピーカーが到着するまでの間シャレーに来ている従兄弟たちと一週間過ごす予定だったのだが、社会人となった彼らの話題は腕時計やロードバイク、さらにはブランド品のことばかりでシンプルな生活を愛する私にはとてもついていけない。まるで自分が未開の地に住んでいる原始人のような気分になる。(その通りか?)

現代っ子たちの会話に感心しつつ私の大好きな天気予報を見ると「来週1週間は雨だョ!気温がガクッと下がって雪が降るかもョ!」とのこと・・・

よしッ!
村での宴もないし、天気も悪くなりそうだし、スピーカーもまだ届かないし1週間お出かけしよう!

ということで思い立ったが吉日、前から行こうと思っていたトゥーロン(フランスの南の町。マルセイユとサン・トロぺの間)の友達の家へ行くことに決定!
コーヒーを飲み終えた私は叔父に旅行に出かけることを伝え、ささっと準備をし植物たちに1週間分の水を与えて午後4時、南へと我が愛車で旅立った。

高速道路を使えば4、5時間ほどで着くのだが、ロードトリップを楽しむためと交通費を節約するためすべて下道で行くことに。
目的地までの距離は約500km。二日に分けて走破する。

1日目の始めのほうは通りなれた道で目新しいものも無かったので自然、太陽、2010年に音楽を入れたきり全く中身を入れ替えていないipodの音楽を楽しみつつドライブ。
2時間ほど走ると広大な自然と田舎村等の未知の景色が徐々に姿を現す。
絶景スポットや面白そうな村・町があれば迷わずに立ち寄る。
たくさん車で旅行する中で学んだことがある。それは少しでも目に留まるものがあればUターンしてでも見に行く。
またここを通るだろうとたかをくくり立ち寄らないと、結局忘れてしまい後悔することになる。

4時間走り日も暮れたところでちょうどいい車中泊スポットを見つけたのでそこで一泊することに。
フランスでは田舎道沿いに多数、ピクニックするための駐車場とピクニックテーブルがあり、そこで車中泊することができるのだ。

その日の車中泊場所の周りを散歩していると洞窟を発見。
懐中電灯を片手に中を散策するが数十メートル入ったところで狭くなりすぎてそれ以上は進めず。
そこから出て森を少し散歩した後夕食の準備をした。
夕食の準備といっても、家で準備して瓶に入れた料理を鍋に移してキャンプコンロで温めるだけ。
赤ワインを嗜みながら温かい夕食をいただく。

その後寝床を準備するのだが、驚くなかれ私の愛車はゴルフ6なのだが、アイデアにアイデアを重ねた結果、特殊な改造なしで旅行用に3分でベッドが設置できるようになっているのだ。

ベッドを設置し、翌朝早起きするために午後10時に就寝。

あ!

枕忘れた・・・

しょうがなくその日はリュックを枕代わりに就寝。
硬くてあまり心地よくない。

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