今日も天気が良くて気持ちがいい。
室内で育てているイチゴ、ローリエ、アボカド、生姜とハエ捕り草も春の到来を感じたのか元気がとてもよく、日々目に見えて生長している。
さて、私ペーターは生計を立てるため、あるフランスの企業の契約社員として日本での商業開発を担当している。
契約内容は月60時間で、通勤は不要。家からパソコンとインターネットを使って仕事を行っている。
その会社は自宅から60km離れた町にあり、そこへたどり着くまでの道がなかなか険しい峠道なので、自宅から仕事ができるのは時間の大幅な節約と自分の安全の確保につながる。
しかしたまにはミーティング等、会社でしかできない仕事もあり現地へ赴くのだが、雪の日は楽ではない。
道の除雪もままならず、多い日では片道で3つの事故に遭遇した。
ただ、よく曲がりくねった峠道なので雪のない日は運転が楽しい。
先日、ミーテイングと書類の確認のために一日会社で働いた後、帰り道の途中でスーパーへの買い出しと恒例の日本食の買い出しを行った。
なぜ恒例かというと、私の町ラ・クリュサと会社のある町サランシュのちょうど中間のボンヌビルという町に地域最大のアジア料品店があり、会社の帰りにはほぼ毎回立ち寄るからだ。
会社近くのカルフールで野菜(奮発してアボカドを購入!)と毎日飲んでいる、軟水でおいしいボルビックの8Lボトル(約300円!)を買い、アジア料品店へと向かった。
そのアジア料品店の品揃えは素晴らしく、日本の冷凍餃子や枝豆まで置いてある。
今回は日本米と増えるわかめの貯えが無くなってしまったので買いに立ち寄ったのだがいつもついつい買いすぎてしまう。
そして今回もまた衝動買いで冷凍餃子を・・・
と、餃子のパックに手を伸ばすと、いつもは置いていない私の大好物が陳列されているのに気が付いた。
それを見た私は大興奮。
異常に高い値段にもかかわらず私は迷わずそれをかごに入れた。
ちなみに値段は5.5€
しかし、この商品は日本人以外に売れるのだろうか?
この店のオーナーは中国人なのだが、どういう意図で入荷したのだろうか?
そんなことは全く考えず、この商品を一刻も早く味わうべくさっさと会計を済ませて私は期待に胸躍らせながら帰路へと着いた。
家に着き、真っ先に先程の商品を取り出す。
ぺ「グフフ、会いたかったよ納豆ちゃん♪」
そう、私の大好物とは何を隠そう、”関西人の嫌いな”納豆である!
私はこれに目がない。まさか地元で出会えるなんて夢にも思っていなかった。
その嬉しさのあまり私は納豆開封のダンスを踊った後箸を取り出し早速いただき・・
は?
こ、凍ってる・・・
そういえば冷凍コーナーにあったな。
キェェェエエエッッ!!!
なんじゃこりゃぁああ!!
生殺しとは正にこのことである。
自然解凍されるまで待つか?
否ッ!
バタ子さんが歌っていた歌の一節が頭をよぎる。
バ「気持ちいいこぉとは我慢できないぃ♪」
・・・ガマンデキナイ。
私は無心で納豆を電子レンジへとぶち込み解凍モードで納豆を冬眠から解いた。
・・チーン!
その音が発せられてから30秒後、ごみ箱にきれいに空になった発泡スチロールの容器が加えられた。
前菜を食べ終えた後のメインディッシュはカレーライス。
一週間毎日食べ続けた最後の一皿に今日奮発して買ってきたアボカドを添え、頂く。
おいしい。
カレーのスパイシーさをアボカドのまろやかな味が優しく包み込み、常夏のビーチでくつろぐ私に優しい木陰を提供してくれるヤシの木を彷彿とさせる見事なコンビネーション。
当然、アボカドの種は捨てずに植木鉢へ。
一日中働き疲れた日ではあったが、気持ちのいい疲れのおかげでその夜の食事はいつもより何倍もおいしく感じられた。