毒ステーキを食べ終わった後、私は数日前に思いつき温めていた計画を実行に移すため、その材料を買いにアヌシーへと降りることにした。
その計画とは全BBQ好きの夢、いつでもどこでもBBQを可能にするBBQ自転車の製作だ。
予想図
必要な材料は、ステーを作るための金属板、ステーをハンドルとフォークに固定するためのクランプ、BBQの箱を作るための鉄の板、網とBBQの材料を入れるミニクーラボックスをつくるための箱。正確な設計図を描かず大まかにデザインし、店に実際にあるものを見てから正確な設計図を脳内に描くのが私のやり方だ。
アヌシー郊外にあるホームセンターに着き、まずは店内を回り自分の理想とする材料があるかをチェックし、予算を計算する。必要なものがすべて売られていることを確認し、予算を計算したところ約40€。許容範囲内だ。
しかし箱を作るための板を見つけたものの必要な大きさよりも少し小さい。板から箱を作る代わりに代用できるものがないかと散策していたところミニBBQセットを発見し、迷った挙句それを購入することに。板と比べ3€しか違わなかった上に既に完成しているものなので加工の手間が省ける。
その他の材料をかごに入れ会計を済ます。
時間は午後5時半。
そのまま直帰して作業にとりかかってもよかったのだが、せっかくアヌシーまで来たのだ。
しかもすばらしい天気。
その日の残りはアヌシーの湖畔で散歩がてらのんびりと過ごすことに。
週末ということもあり水辺は人の山!しかし若いギャルもたくさんいて大変目の保養になる。
夜の8時半ぐらいまで人間観察をした後帰路についた。
翌日、前日の散歩と人混みで疲れていたのかその日の朝は目覚ましとともに起床することができず、布団から出たのは朝9時半。
優雅に朝食を済ませた後少しネットサーフィンし、貸別荘の中を見たいという人のために中を案内。お昼に残りのステーキを使ってカレーを作った後、BBQ自転車の製作にとりかかった。
まずは簡単なミニクーラボックスから。
他の工作で余っていた断熱マットを切り取り、昨日買った砂糖ケースの外側に両面テープで貼り付けるだけ。
保冷効果は定かではないがまぁ、モノは試しようだ。
次にこの箱を自転車に固定するためのステーを製作。
倉庫にあった金属材料を切って、曲げて、穴をあけてビスで自転車に固定。
できたものにクーラボックスを装着!
適当につくったものとは思えないほどの出来栄え!
続いてBBQキットを自転車に固定するためのステー製作にとりかかったのだが、昨日買った鉄板よりもいいものを倉庫から発見した。
それは鉄パイプとアルミパイプ。
強度がある上に軽い。しかも鉄板よりも切るのと穴をあけるのが楽で作業効率アップ。
ハンドルにクランプを装着し、1/2に切ったアルミパイプの先端をたたいて潰し、穴をあけてクランプへ固定。さらに重さでステーの角度が下がらないようスタビライザーを製作し装着。
そこへBBQキットのバケツを付ける。
アルミの上部ステーだけだとバケツの重さに耐えられないと思っていたのだが、意外にもこれだけで支えることができる。
そして今度は下のステーを鉄のパイプで製作。フォークにクランプを装着して固定するのだが、その後どのようにステーとバケツを固定するかで少し悩む。
両方のステーに鉄板で橋渡しをしてそこにバケツを乗せる予定だったがそれだと作業数が多くなるため、BBQキットに付属していた足を裏返してステーに固定。そこにバケツをはめて完成!
予想以上にしっかりと固定されており上から荷重をかけてもびくともしない。
早速付属の網をのせて試運転してみる。
が、
網は固定されていないために曲がったときに遠心力と振動で飛んで行ってしまう。網を固定したとしても囲いがなければ今度は網に乗せた材料たちが同じ運命に・・・
囲いを作るための材料は手元になく、買いに行こうと思うもその日は日曜日。今日はこれでおしまいかと諦めかけたその時、ちょうどいいものが手元にあることを思い出した。
それはトレー状のBBQ網。深めの金属トレーに穴が開いているというものだ。
早速これをバケツの上に乗せて合わせてみる。続いてどのようにそれを固定するかを考える。
丸いバケツに四角いトレー。それを簡単に着け外しができる装置とは・・・
クリップだ
手元にあったアルミの長細い板を適度な長さに切り、プライヤーで曲げてクリップを作成。しっかりと固定できることを確認し、二つ目を製作。
ためしてみると・・がっちりと固定でき全く動かない!
おっと!大事な一品を忘れるところであった。それはドリンクホルダー。
これはメカノ(フランスの自分で自由に組み立てるおもちゃ)を使って作り、食材ボックス前に装着。
夜8時、作業開始から7時間。ついに夢のマシンが完成した。
その日の夕食は試運転もかねてBBQに決定!
すばらしい出来だ・・
これでアヌシー湖畔をサイクリングすればギャルにモテモテ間違いなし。