パリより花の都、アルプスの町ラ・クリュサ

私が現在住んでいる町ラ・クリュサ(La Clusaz)はフランスの東、モンブランを頂くアルプス山脈の中にある標高1000m、人口1800人程度の小さな町である。
昔は牛の放牧とそれによるチーズ作りで栄えたが、今ではそれに加えスキー、スノーボード等のウィンタースポーツも盛んになり、2015年にはフランスにおける優れた観光スキー場の一つにも選ばれた。
なぜ私がこのような一年の半分が冬で雪と真夏のシーズン以外はゴーストタウンと化し、牛しかいない田舎町に移り住んできたのかはまた別の機会に語るとする。

上にも書いたようにこの町はクソ田舎にあり、オフシーズンは人もいなければ開いている店もほとんどなく、雪が完全に解ける時期には酪農家たちが飼料になる良質の草を生やすために牧草地に牛糞を撒き、外を散歩すれば5分もしないうちに牛糞のトレビアーンな香りが服に染み付く。しかしこの香りは同時に春の到来を告げるものでもある。
このトレビアーンな香りの時期が来ると山々は本来の色を取り戻し始め、街中と野原は色とりどりの花であふれかえり、町が活気を無くす代わりに牛やヤギ、ヒツジなどが活気を取り戻す。

この小さな田舎町は自然とスポーツを愛し、季節と時間を共にし自然に生きる者にとっては最高の場所である。

・・・人は地元意識が強く簡単には打ち解けられないが・・・。