チーズ三兄弟を制した夜、私と弟は週末に来ていた叔父の2歳半と7歳になるいとこに非常に気に入られ(7歳の子とは5年ぶりの再会!)、本来翌日は弟と妹とノルディックスキーをする予定だったのだが、いとこの可愛さに負けその日は一緒に雪合戦をするという約束をした。
そして次の日の朝弟と優雅に朝ご飯を食べ、まったりと朝に来るといっていた妹を待っていると、10時半ごろ叔父が車にソリを積み込み走り去っていく姿を弟が目撃した。それを聞いた私は「あ、雪合戦は庭ではなくてソリ場の横でやるのかな」と思ってあまり気にしていなかった。
だいぶしばらくして妹が着き、雪で遊ぶための準備をしソリをもっていとこたちがいてるであろうソリ場へと歩きで向かった。
しかしいとこたちの姿が見当たらない。
まぁそのうち来るだろうという謎の確信をもってソリを楽しむこと数往復。昼時が近づいても一向に現れる気配がない。
不審に思って叔父に電話をするもつながらない。
別のソリ場で遊んでいるのかなと思い、気を取り直してソリを再開しようとすると叔父からの電話がかかってきた。
その電話でなぜ彼らが私たちとの雪合戦を放棄し私たちを放置した謎が解けた。
日曜日。10時半ごろにどこかへと消えた叔父家族。
そう、彼らは日曜のミサへ参加するために村へ降りていたのだった。
誰を待つこともなくなった私たちは自宅へと帰還し、昼食を食べ、食後のコーヒータイムを終えまったりしていたのだが、天気が非常によく室内でまったりしているだけではもったいなかったので自宅前で雪だるまを作ることに。
海賊船の先についているような女性像をつくるという弟。
トトロをつくるという妹。
私はアイデアが思い浮かばずひたすらに土台となる雪を積み上げ、その高さが2mほどに達したところでとりあえずヒトをつくることにした。
ヒトのだいたいのかたちをつくり終えた頃、かわいいいとこが登場し雪男イエティのことを熱く語りだすので急きょイエティをつくることにした。しかしこのいとこ、琥珀からの恐竜の復活を信じたり、イエティを信じたりと7歳ながらになかなかムー的要素のある少年である。
自宅の庭の前には道路が通っているのだが、私たちの雪だるまづくりが終わりに近づいてくると、やたらとクラクションを鳴らされたり、ワーオ、マニフィックという声が聞こえてくる。しまいには私たちの雪だるまの写真を撮っていたおっちゃんに「君は彫刻家かい?」と聞かれる始末。フランス人はおおげさである。
そして開始から2時間ほどですべて完成!
結局雪合戦はできずじまいではあったが充実した一日であった。
めでたしめでたし。