目覚ましよりも早く目が覚める。
昨日からどうも喉の調子が悪く、それに加えて今朝は体がだるい。
まさか、この私が?「体調不良」?
そんなことは絶対に認めない。”病は気から”というのが私の信条なので、この状態を打開すべくアクティブな一日を過ごすことを決意する。
今日も雲がほとんどない青空。
サンドイッチをもってどこかへハイキングへ行こうと思ったのだが、ただ歩くだけならいつもしていることなのであまり味気がない。
ということで私は裏の倉庫で冬眠しているマウンテンバイクを眠りから覚ますことにした。
すっかり空気の抜けたタイヤを膨らましてからリュックにピクニックセットを詰め込む。
今日のメニューはモッザレラとハムをトマトソース、エルブ・ド・プロヴァンス、オリーブオイルで味付けしたパンにはさんだイタリア風サンドイッチ。
それに加え、水、ワイン、バナナをリュックに入れ出発。
走り始めた時は少し風があり半袖だと若干寒かったのだが、上り坂を登っているとだんだんと暑くなり逆にこの風が気持ちいい。
10分ほど走ると、レ・コンファンの舗装道路の終点に到着しダートコースに突入。
土よりも石が多いガタガタ道に上り坂が加わるとキツイ!
冬の間腰のこともありほとんど運動していなかったのでだいぶ体力が落ちていることを痛いほど実感する。踊りであれば5時間ぶっ続けでも平気なのだがこの違いはなんなんだろう。
20分走った坂の途中で岩に腰かけて休憩をとるが、他のハイキング客に「え!あの人あんなけ走っただけで疲れてる!マジ体力ねぇ!」と思われないよう、いかにも「私は景色を楽しむために停まっただけですよ」的な雰囲気を出す。
数分後(数十分後?)息を取り戻した私は再び先を目指すことにしたのだが、目の前に立ちはだかるのは砂利道のキツイ坂。自転車を押して登るという選択肢もあったがそんなことをしては男が下がる!
ペ「んどりゃッ!」
自転車にまたがり気合でこぐ。キツイ上りなうえに砂利道なので立ちこぎをすると後ろに荷重がかからずタイヤが空回りするので必然的に座りこぎになり苦しさ百倍アンパンマ~ン。
坂が終盤に差し掛かったところで、先程休憩時に先を越された老夫婦ハイカーに追いついた。
するとおじいさんが必死に自転車をこぐ私に声をかけてきた。
じ「自転車でこの道はキツイよねー」
まさかッ!必死に平気な顔をしてあたかも「このぐらいの坂余裕だぜ」的な雰囲気を醸し出していたのに・・・バレていた?
ペ「すっごく・・・キツイです・・。」
もはやこれまでと観念し、正直に返事をする。
そして何とかの思いで登りきると次は下り坂が・・・
これを下ってしまうと帰りは当然上りだ。しかしそんな女々しいことを言っていていいのか!
おっと、下り坂の少しあとから道が森の中に入っていくではないか!
参ったなー。暖かい太陽の光を満喫するために外に出たのに太陽の当たらない森の中に行ってしまっては本末転倒ではないか。しょうがない、ここまでにするか。
と自分を納得させ、ピクニックテーブルに腰かける。ここまでの所要時間約50分。
時間も昼を回っていたので絶景を眺めながら昼食をいただく。
その後体力回復のため草の上に寝転がり日光浴をしつつバナナを食べる。
しかし、いくら時間がたっても先程の老夫婦は追いついてこない。
引き返したのだろうか?ふん、口ほどにもない。
しっかりと体力を回復し、太陽の光を浴びた後帰路につく。
ヒイヒイ言いながら登ってきた坂を軽快に下る。はずだったのだが・・・
ペ「(((あばばばばば)))」
帰りはほとんど下り坂なので楽だろうとたかをくくっていたが、今度は脚ではなく腕がしんどい。石だらけなのでスピードを出すと振動が直に腕に伝わる。コントロールを失わないため下りは尻を突き出して後ろに荷重をかけるのだが、その体勢に振動が加わり、その姿は傍から見るとまるでブーティシェイクをしているように見えただろう。
なんとか家にたどり着いた私は自転車とリュックをほっぽり出してベッドにイン。
昼寝とまでは行かなかったが、少しの間足を伸ばして休憩することにした。
余談だが、畑に植えた大根とほうれん草の一部が芽を出し、室内のエンドウ、グリーンピースは順調に成長を続けている。